本おしうり堂

文芸書、漫画などの感想を扱ってます。
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詩的私的ジャック
4061819410森 博嗣

講談社 1997-01
売り上げランキング : 255,081

おすすめ平均star
star森式『切り裂きジャック』
starS&Mシリーズは、初めて読みました
star翻弄される快感

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S&Mシリーズ第4弾。
この第4作目までは、デビュー前に書き上げていたそうで、見事に4作とも毛色の違う作品になってます。

・レビュー
死体に残された傷は何を意味するのか?
女性が死んでいた。みな密室で。歌詞のとおりに1人、また1人。

大学施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する!

建築学上の密室に対する薀蓄というか、科学的アプローチが面白いですね。今回は意外なほどに、正攻法な密室ものになるのではないでしょうか。
それと同時に人間関係にも動きがあり、萌絵が犀川へ思いを持ちながらもミステリアスな雰囲気をを持つ男篠崎敏治と飲みに言ったりして、個人的にはハラハラどきどきでしたね。

歌詞のとおりに人が殺されるとありますが、作中に出てくる「詩的私的ジャック」の歌詞の一文

すべて、素敵なイーコールのために

あんまりネタバレちっくなことは書かないようにしていたのですが、この一文は気に入っていたので掲載してみました。


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4062649985風の万里 黎明の空〈上〉―十二国記
小野 不由美


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4062649993風の万里 黎明の空〈下〉―十二国記
小野 不由美


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十二国記シリーズ第四弾。
前作では、雁国の建国当時の話だったけど、今回は慶国の話。陽子が国王として即位してからの苦悩を描いています。

・レビュー
慶国(けいこく)に、玉座(ぎょくざ)に就(つ)きながらも、王たる己に逡巡(しゅんじゅん)し、忸怩(じくじ)たる思いに苦悩する陽子(ようこ)がいた。芳国(ほうこく)に、王と王后(おうごう)である父母を目前で殺され、公主(こうしゅ)の位を剥奪(はくだつ)されて哭(な)く祥瓊(しょうけい)がいた。そして、才国(さいこく)に、蓬莱(ほうらい)で親に捨てられ、虚海(きょかい)に落ちたところを拾われて後、仙のもとで苦業を強(し)いられ、蔑(さげず)まれて涙する鈴(すず)がいた。負うにはあまりある苦難(かなしみ)の末に、安らぎと幸せを求めて、それぞれに旅立つ少女たち。その果てしない人生(たび)の門(いりぐち)が、いま開かれる

多分、いま刊行されている十二国記の中では一番盛り上がる話でしょうね。前作が雁の国固めだったのに対し、今回は陽子の国王としての自立とおそらく今後慶国を支えるであろう人材たちとの出会い。

クライマックスの麒麟にまたがって登場するシーンは、身震いするほどの興奮を覚えます。

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雪が降る
4062731762藤原 伊織

おすすめ平均
starsかっこよい。
stars6つの宝石のような短編たち
stars「中年ロマンティスト」と呼んでもいいですか?
stars純粋な気持ちで読める短編達
stars涙がでました。

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ハードボイルド作家藤原伊織氏の短編集。描かれているのは、青年から中年までの男たちのドラマ。

・レビュー
母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。苦い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえようのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の六篇。

そのうちのひとつ「銀の塩」はテロリストのパラソルの島村が主人公です。時系列では逃亡中に出会った人間と事件を描いてます。最後の締めくくりの台詞はさすがで、読後も心に残ります。

表題作「雪が降る」は中堅サラリーマン過去の思い出と友情を描いた作品。読み応えのある一編でした。

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